htsoc’s diary

思考のダイビング。

マイナス金利

マイナス金利について、整理して置きたいと思います。ほぼ備忘です。

 

マイナス金利政策(1月28・29日政策決定会合)

日銀当座預金の超過準備高(3層の一つと部分的)に対しマイナス金利を導入し、イールドカーブを引き下げるとともに、大規模な国債買い入れ金利と量の観点から金融緩和。

 

背景には、物価上昇の見込みが薄いこと。原油低下を受け2016年の物価見通しを1.4%から0.8%に下方修正。

 

EUでのマイナス金利を始め各国が導入していることから、通貨引き下げ戦争となりやすい。5月の伊勢G20や9月の中国でのG20で協調が必要。ただ、直近のアメリカ利上げ延期や人民元引き下げ懸念など円高リスクに警戒する必要性。ただマイナス金利は政府の新たな金融緩和の選択肢の増加。しかし成長戦略を拡大することが第一。サミットに注目。

 

EUでは貸出・物価への効果は限定的。通貨対策としては効果あり。ただ日本は状況が異なる。銀行の貸し出しに対する信頼性は従来より確保され、競争も激しい。既存の貸出金収支悪化、当座預金のコスト増加で直接的・間接的両面に悪影響。生保業界も利回り確保に腐心。個人所得も、民間企業の好決算は為替によるものと否定的。

 

もしも、マイナス金利がうまくいくときは資金需要の増加、株式投資の向上。マイナス金利国債等の利回り低下。すなわちリスク資産へのシフト。運用チャンス。また、銀行貸し出しの利ザヤ低下から、エクイティへの関心高まる。銀行の目利き力を生かした出資が次の選択肢。

 

【総括】

マイナス金利はあくまで選択肢の一つに過ぎない。7月の衆参両選挙に向けて金融緩和を打ちたいだろうが、世界的な目を見れば難しい。それを予め読み越したうえでの1月の緩和だったのだろうか。